ある人曰く1:人生の組み合わせパターン数

ぼくの知人の料理人が「風味の辞典」という百科事典のような分厚い本を読んでいた。
その本は、世の中の様々な食材と、ほかの食材や調味料との組み合わせを一覧化し、その組み合わせが合う理由や組み合わせによりどんな風味が生まれるものなのかが記述されたものだった。

まあ門外漢なぼくにとってはそんな本があることさえ驚きだったが、もっと面白かったのはその料理人が風味の辞典なる本を読んでいる「理由」だった。
その料理人曰く、一般的な料理本は、その書いた人の好みや常識などに依存していたり世の中の流行りを反映していたりして、ある程度の範囲に収束してしまうものなので味が想像できてしまう料理がほとんどになってしまうのだが、この本はそんな収束の軸を外し組み合わせをただただ列挙しているゆえ、意外な組み合わせや想像しなかった組み合わせをどんどん見つけることができるのだという。

なるほどなーと思った。
世の中いろんなものがありいろんなひとがいるわけだから、組み合わせのパターンなんて無数に存在するはずである。
けどぼくらは、好みや流行りでそのパターンの多さを見ずに、ありがちなパターンのみに収束して落ち着いてしまいがち。

もっと面白い組み合わせ、もっと自分らしい組み合わせがあるのかもしれない。
そんな視点で人生の冒険に出てもいいと思った。一度きりの自分の人生なのだから。